MBA留学雑記帳@オックスフォード

Saïd Business School, University of Oxford

Financial Timesのデジタル戦略

Reuters InstituteにFinancial Timesの人がデジタル戦略の話をしに来たので聞きに行ってきた。FTは一応ペイウォールに成功していると考えられているメディアなわけで、今やグループの売上の半分以上がデジタルという状況。購読料と広告の比率も63:37というから、オンラインでコンテンツにお金を払わせているということ。

こうした従来の収益構造からの逆転は2012年の時点ですでに起こっていたし、ニュースにもなっていたわけだけど、例えば一般紙でペイウォールを成功させるのは簡単じゃないというのはFTの人も認めるところで、ビジネスモデルの面は正直参考程度という感じ。むしろおもしろかったのは組織論的な話。

デジタル化が進展すれば、当然、仕事の内容にも変化が生じるわけで、今までやっていた仕事が必要なくなったりもするし、新しい仕事が生まれたりもする。その結果、去年、記者の4人に1人は配置転換したんだとか(数年前に記者を増やしすぎたのもあるらしいけど)。みんながみんな変化に対応できているわけじゃないんだろうし、話をしたのがデジタル戦略を担っている人だからっていうのはあるにしても、さすがにDigital Firstを徹底しているメディアだけあって、変化に対する意気込みを感じた。そして、それに伴うアクションも。

なんていう話を聞いたあと、来週のマーケティングの授業のケースがタイミングよくNew York Timesのペイウォールの話だったりするのでした。ちなみに、今学期も授業は来週で終了!