MBA留学雑記帳@オックスフォード

Saïd Business School, University of Oxford

Why MBA?(2)

前回の話は本音なんだけど、ちょっとよそ行きのWhy MBA?という感じな面も少しあったり。なので、今回はそもそもなんでMBAを考え始めたのかについて。

最初にMBAを意識し始めたのはいつだったかはちゃんと覚えてないんだけど、社会人3~4年目のころだったんじゃないかなと思う。出版社に入って編集の仕事をしていたものの、自分はそもそも本や雑誌がつくりたいから出版社に入ったわけではなかった。大学でメディアの勉強をしたこともあり、メディアを使ったマーケティング・コミュニケーションの仕事がしたかった。もっと言うと、世の中を動かすブームのようなものを起こすプロセスに関わりたいと思っていた。そのプロセスにどの方面から関わるかという点で、当時は情報をつくる側に回りたいと考えたわけだ。

 
だから、編集=コンテンツ制作だけでなく、ビジネス面にも関心があって、ビジネス書とか読むのも好きだった。たしか、MBAホルダーがたくさん登場する雑誌『Think!』とかもよく読んでたな。そういった流れでMBAに興味をもったんだと思う。とは言っても、この頃はそういう選択肢もあるかくらいの意識。

で、5年くらい仕事をしてると、このままでいいのかという気持ちが自然と湧いてくる。編集の仕事はそれはそれでおもしろいけど、編集者として超一流になれる気はしないし、そもそも自分はそういう志向じゃない。それに、ゆるゆるとした雰囲気の会社で自分を成長させることにも限界を感じていた。この会社でこのまま仕事を続けたら、よそで通用しないような人材になってしまうんじゃないかと不安だった。

そんななか、自分をMBAへと向かわせた転機その1は、身近な友人が私費でヨーロッパのMBAに留学をしたこと。本気ならたとえ私費でもMBAに行くものなんだというのを目の当たりにすることになった。それまでアメリカの2年制の学校にしか目が向いてなかったけど、ヨーロッパに1年制MBAという選択肢があることをこのとき初めて認識した。

それでも、現実的な問題を考えると、簡単には踏み切れない。海外MBAにかかるお金はハンパじゃないのと、その頃に結婚したこともあって、社費留学がない会社の人間としては、そうそう思いきることはできなかった。一方で、その頃、自分の希望で新規事業開発の部署に異動になり、そこではやりたいことをやらせてもらうことができたので、いったんはMBAなんて忘れ去って仕事に専念していた。

そして、訪れた転機その2。仕事でニューヨークで開催されたデジタルパブリッシングのカンファレンスに参加させてもらったのが結構効いた。デジタルメディアの世界で生き抜いていくなら、グローバルに戦える力を身につけないとダメかもという不安を感じてしまったわけだ。

それから数か月して、MBA受験を決断することになる。実際には「その1」で書いたことも含め、さまざまな思いが交錯して決断に至るわけだけど。それにしても随分長いことかかったもんだよね。年齢が増すにつれて、大きなお金を使う決断がしづらくなることを感じるだけに、もっと早く決断しててもよかったのにねと思う。