MBA留学雑記帳@オックスフォード

Saïd Business School, University of Oxford

Why Oxford? - オックスフォードのMBAを選んだわけ

数多あるMBAのなかで、Oxfordを選んだ理由を書いておこうと思う。などと言いながら、いきなり正直な話をするとOxfordは第1志望ではなかった。ただ、より正確に言うと、第1志望に限りなく近い第2志望だった。

学校選択の基準」に書いたように、自分の基本的な選択基準に沿って学校を絞っていくと、それだけでかなり選択肢が限られることになる。そして、自分が第1志望群として設定したのが、Oxford、Cambridge、INSEADだった。この3つであれば、どの学校であっても喜んで行くという感覚。で、そのなかで序列をつけるとしたら、Cambridge > Oxford > INSEADというふうに考えていたのだ。

 
これは、不等号が逆じゃないの?と思う人も多いかもしれない。合格の難易度はまさに逆の順だと思う。ランキングや評価を考えたら、断然INSEADが第1志望ということになるだろう。そして、もし全部合格してどこに行こうか悩む状況になったとしたら、なんだかんだでINSEADを選んだ可能性もある。でも、イギリスを優先したかった自分としては、OxfordとCambridgeを上に置いて考えていた。

そして、なぜCambridgeを一番に置いたかというと、場所柄、ハイテク・スタートアップとの関わりが多そうで、かつメディア&エンタテインメントのconcentrationがあって、自分のバックグラウンドによりフィットしそうだと考えたからだ。一方で、消極的な理由としては、Oxfordの方が英語要件が厳しく、場合によってはそれを満たすのが難しいかもしれないと考えていたためでもある。とは言え、Oxfordには別の観点からのフィット感を感じてもいたわけで、この2校にはあまり差があったわけではなかった。

ある学校を選ぶ理由は実のところ他の学校にも当てはまる場合が多いから、その学校でなくちゃいけない理由なんてそんなにあるわけじゃないと思う。例えば、ダイバーシティなんてヨーロッパの学校ほとんどに当てはまる。でも、それはそれとして、Oxfordを選んだ背景にあったのは以下のような理由だ。

●1年制
英語圏
●ランキング(ヨーロッパTOP10)
以上は「学校選択の基準」参照。

●Oxfordブランド
正直、これはかなり大きい。Oxfordの価値はMBAのランキングだけでは計れないと思っている。日本人の間では一番有名な海外の大学の一つだと思うし、その卒業生ネットワークもものすごい価値だ。また、OxfordのMBA生に占めるアメリカ人の多さが、世界的なブランド力を物語っていると思う。

●カレッジ制度
学部/院、専攻を問わず、さまざまな学生との交流の場としてのカレッジは魅力的だ。ただ、実際に同じカレッジの学生たちとそんなに仲よくなるかというと、そんなこともないんじゃないかと思っているけど。

●Social impactに力点を置いたプログラム
プログラム面でのOxfordの力点はファイナンスとソーシャル・アントレプレナーシップにあると思う。実のところ、自分はマーケティング寄りのバックグラウンドで、それらの分野に強い関心があるわけではないが、休職して戻る予定の勤務先が公共性、Social impactに関わりがあるので、そういう観点からビジネスを学ぶ機会を得られるのもよいかなと。

ダイバーシティ
学生の90%以上が留学生で、50か国くらいから学生が集まっている。ただし、この数字には落とし穴があるのでちょっと注意が必要なのだ。90%が留学生と言っても、そのうち3割くらいは北米勢。なので、英語ネイティブはたぶんかなり多いはず。

●ヨーロッパでは大きめのクラスサイズ
アメリカでは1学年500人とか普通だと思うが、ヨーロッパは小規模な学校が多い。そんななか、250人というクラスサイズは比較的大きめ(現在は1クラス増えて330人くらい)。ネットワークという面ではこれくらいの人数はいてくれるといいかなと。

●ロンドンに比較的近いロケーション
個人的には都会のほうが好きだ。そういう意味では、オックスフォードの街自体はそれほど大きいわけではないが、ロンドンに1時間で行ける。いろいろなイベント事がロンドンで催されるわけで、そうしたものに参加できるチャンスがあるのはありがたい。

修論不要
これはイギリスならではだけど、MBAなのに修了論文がある学校が多数派。でも、修論書いてもねえというのが正直なところ。Oxfordでは論文はいくつかあるSummer Sessionのオプションの一つなので、コンサルティングプロジェクトや選択授業で代替できる。